“ワーキングホリデー” ”看護留学” ”アシスタントナース”などよく聞く言葉。
特に日本で看護師をしていて海外に興味がある方なら、おそらく一度は耳にしたことがあると思います。
私もそうでした。
色々調べても留学を斡旋している業者の方の表面的な情報(もちろんこういう情報も大事)などしか出てこず、実際の授業内容は?? 実習状況は?? 実際の就職率・就職先は??など、知りたいリアルな情報があまり載っていないというのが現状でした。
2025年現在、オーストラリアでワーキングホリデービザを利用してアシスタントナースの学校を卒業し、実際にアシスタントナースとして働いている私が、なるべくリアルな内容をお届けできるように様々なトピックに分けてこれから発信していこうと思います!!
まず初回なので以下について書いていきます🙂
- ワーキングホリデーを選ぶまでの道のり
- そもそもワーキングホリデーとは
- アシスタントナースの概要
- まとめ
ワーキングホリデーを選ぶまでの道のり

初回ブログなので少しだけ自己紹介しますね。色々イメージしやすくなるといいなと思います。
・日本で6年間看護師として病院で勤務
・病院退職後、初ワーホリビザを利用してイギリスへ
・イギリスでは最終的にヘルスケアアシスタントとして介護施設で勤務
・日本に一度帰国し、日本に1年間滞在
・ギリホリと言われる最後のワーキングホリデービザを利用
・オーストラリアを選択し、シドニー在住
このような流れで今は2か国目のワーホリビザを利用してオーストラリア・シドニーにいます。
イギリスにいる時は英語力が高くなく、ヘルスケアアシスタントとして介護施設で働くのが精一杯でした。
介護施設でも本当にたくさん学ぶことがありましたが、同時に“海外の病院で働いてみたい”という思いが出てくるようになりました。
イギリスではビザの期限的にも英語力的にも挑戦できず帰国となりました。
そこで、オーストラリアのアシスタントナース(AIN)の存在を知り、目指すことになりました。
目標はただ一つ“AINとして病院で働きたい”でした。
ここがこだわったポイントですが”施設などエイジドケア”ではなく“病院”で働くことでした。
私の場合は学生ビザなどビザの延長は考えていなかったので、ワーキングホリデービザで行ける学校・ワーホリ期間内で病院で働くことを目指して準備を始めました🙂
意外とここもポイントなのですが、
オーストラリアの場合はセカンド、サードビザと言ってビザを延長しやすい、延長するための段階を踏めばビザ延長が可能なので、ファーストビザ(ワーホリビザ1年目)でAINとして働けなかった・施設では働けたけど病院では働けなかったという人も2年目・3年目では病院で働いていますという人は結構います。
ただ、私は滞在は1年と決めていて延長もする気がなかったので、“ワーホリビザ1年目で学校終了・病院で働く”が絶対条件でした。
この条件にした場合、体験談などをどんなにSNSなどで調べても出てこなかったので情報が欲しいなと思っていました。そこで私の体験談が役立てばと思い、このブログを始めることになりました👩⚕️
そもそもワーキングホリデーとは?

ワーホリのことはもう知ってるよ~!という方も多いと思いますが…
最近「ワーホリする」「ワーホリしたい」など言われすぎたせいか、ワーホリが違った方向・もったいない使われ方になっている気がします。
ワーホリはワーキングホリデー制度であってビザの一種でしかないのです。
「ワーホリしてくる」等の言葉はちょっと危険で、中身は何もないので自分でしっかりと考えて利用しないともったいないなと思います。
「ワーホリ行ってくる」で海外に行き、何となく生活するということはよくあることだと思いますが、うまく利用できればとても良いビザだし、とてもよい機会になると思っています。(何となく生活することが悪いとは思っていないです)
国によって制度内容の違い(就労・就学期間など)やビザ申請の複雑さなどはありますが、基本的には内容は自由なので、どのように過ごすかは自分次第になります。
中身というのは何でもいいと思います。休むでも仕事するでも交流でも。元々のワーキングホリデー制度の目的は文化交流なので、異国に住む・仕事・遊び・長めの旅行などを通して文化交流はできると思うので、何をして文化を学ぶかは自由だと思います。
ただ、具体的な目的は決める必要がある、決めたほうが良い、と思います。
私はイギリスに行く前にざっくりと「英語力を上げる」と「カフェと医療関係の仕事をする」と決めていきました。結果的に、カフェでも医療施設(介護施設)でも働けることができたのですが、英語力はあまり伸びなかった気がします。自分なりに振り返ると、英語力を上げるというのがざっくりしすぎていたなと思います。そもそも、英語力をゼロから成長させるためにワーホリを利用して海外に住むのはもったいないという印象です。英語力は行く前にできる限り上げて、ある程度の会話はできる状態で行くのが良いと思います。英語ができるだけで格段に海外での生活の質は変わりますし、チャンスや色々な機会に出会う回数も変わると思います。
アシスタントナースの概要

アシスタントナースってそもそも何だろう??
アシスタントナースは正式名称ではないです。
オーストラリアでは、Assistant in Nursingと呼ばれています。ただ長いのでAINと呼んでいます。
基本的にどこで働いてもAINという呼び方は変わらないですが、働く場所によって仕事内容は大きく変わってきます。
働く場所は主に①病院②施設③在宅介護です。(ワーホリビザの期間で現実的に考えられるのはこの3つかなと思います。可能性は低いですが、クリニックや日系の美容看護師なども考えられると思います)
施設や在宅などは色々なところで情報を得られると思うので①の病院について説明します。
1.病院でのAINの立場
病院では、Nursing Teamという看護部のような括りとして
・Registered Nurse (RN)
・Enrolled Nurse (EN)
・Assistant in Nursing (AIN)
というように基本的には3つに分かれています。AINに関して言うとCertificateⅢとCertificateⅣなど種類がありますが、このようにAINはNursing teamの中で働いているという印象です。
よくRN・EN・AINを日本語で表現する際に、
・RN=看護師
・EN=准看護師
・AIN=看護助手
などというように表現されます。
間違っているとは思わないですが、業務内容について考えた場合、少し違和感があります。私が日本で看護師として病院で働いていた時に、看護助手さんが何人かいました。ただ、看護部の括りとして密に関わりながら働いていた印象はなかったからです。
看護助手さんのサポートや業務によって、看護師として大変助かったいましたし、看護助手さんがいる日といない日ではまったく負担が違いました。ですが、看護という部分ではお互いが深く関わることがなかったので、オーストラリアでのAINとして業務内容を伝えるときに”日本でいう看護助手の仕事です”というと少し違うかなと思うので、次のところで詳しく説明していきます。
2.病院・病棟の特徴
まず私が働いたことがある・実習をした病棟を紹介します。以下3つです。
①Surgical Ward ②PACU ③IPS
①Surgical Ward
術後の人が入院する病棟です。術後なので疼痛管理・術後の観察などを主に実施します。
②PACU
PACUと書いて”パキュー”と読みます。日本ではなじみのない言葉ですが麻酔回復室、リカバリールームという感じです。局所・全身麻酔下の手術のあとに麻酔から目覚めるところから術直後の状態観察をする場所です。ICUのような役割ですが、覚醒・術直後の状態が落ち着いていて問題ないと判断されたらそのまま病棟に転棟となるのでPACUに長期滞在しないのが特徴です。また、日帰り手術の入院から退院までの対応もします。
③IPS
これはIndividualised Patient Specialの略で、認知症やメンタル疾患を持つ患者さんへのケアに特化している病棟です。なので、Special Careがあるのが特徴です。
3.これらの病棟でのAINとしての役割
①Surgical Ward
・勤務交代時にRNから申し送りを受ける(担当RNと一緒に)
・バイタルチェックが必要な人を確認してバイタル測定、RNへ報告
・疼痛の有無、排便・排尿チェック・創部チェック、RNへ報告
・ナースコール対応
・シャワーやトイレ介助
・血糖測定
・シーツ交換
・点滴棒・輸液ポンプ・フットポンプなどの機械の整理や準備
②PACU
これは病院によって内容は大きく変わると思いますが一例として挙げます。
・入院時、退院時のバイタル測定
・術前のプロトコル実施(手術部分の剃毛など)
・術前の心電図(ECG)実施
・ベッドの準備、ベッドまでの案内
・白内障手術の点眼介助
・術後の患者さんへの食事や飲み物準備
・手術室への案内
③IPS
ここは派遣で働いていたのでそこで長く働いている場合とは違うかもしれないですが、
・患者さんと1対1ケア
→日本のように抑制は使わないので、日本における抑制が必要と思われる患者さんに対して、AINがずっと病室で付き添い、歩行などの介助や見守りをすることを言います。基本的に椅子が用意されているので椅子に座ってずっと見守る感じです。トイレや休憩に行くときも代わりのスタッフを呼んで、部屋に来てから交代になるので、誰かしらスタッフが常に部屋にいることになります。
・目の届くスペースにいる患者さんなどの観察、見守り
ざっとこのような仕事になります。もちろんすべて看護師の指示のもと行います。
ここでは詳しく説明しませんが、Public HospitalなのかPrivate Hospitalかでまず大きく違いますし、病院・病棟によって大きく異なると思うので一概には言えないです。ただ、実際にある一例として何となく想像することはできるかなと思います。
がっつり患者さんにも看護師にも関わりますし、コミュニケーションを取りながら仕事をするので、AIN=日本での看護助手と思っていると、病院で働き始めて少しびっくりするかもしれないです。
まとめ
どうでしたか??
少し振り返ると…
★ワーキングホリデーはビザの一種でしかないので中身はありません。自分でしっかり何をしたいのか、何のためにオーストラリア(または別の国)に行くのか、しっかりと計画を立てていく方が充実します。
そして英語力はマストです(完璧な英語力のことではないです)。”英語力ゼロ”という言葉がワーホリについて調べると非常に多く出てきます。悪いことではないです。ですが、できることは大幅に変わります。
英語力が低かったイギリスワーホリと、ある程度英語力をつけた状態でのオーストラリアワーホリでは充実度が全然違うことを非常に実感しています。そして今の英語力でイギリスに滞在したかったという後悔もあります。決して何か偉大なことをしなきゃいけないということはまったくないです(そもそも日本人が日本でさえ何か偉大なことを成し遂げることができるでしょうか?)。海外にいくと気持ちも昂り、何か成し遂げなきゃいけない、何かやらなきゃいけないと思ってしまう人がいるのも事実です。ですが、そんなことはないです。自分のやりたいことを淡々とやれればいいのです。私で言うと、”AINになって病院で働く”でした。これだけでした。淡々と計画に沿ってこなしていくことで、ワーホリビザの1年間の滞在中にAINとして病院で働くことができました。ビザを申請するときに、大なり小なり皆さん目的を持って申請するんだと思います。それには計画・準備が必要で、その中に英語力の準備も必ず含まれます。そして実際に住み始めたら、淡々とこなしていきましょう。そしてやり切りましょう。そして大事なことですが、海外生活を楽しみましょう😊
★アシスタントナースに関して実際の概要的な部分を説明しました。もう少しそれぞれ説明したいので、今後詳しい記事を出していこうと思います。
オーストラリアで病院のAINを目指す場合は英語力は必要です。これも英語力ゼロ、低くても大丈夫というような記事を見ますが、残念ながら事実ではないです。病院のAINを目指すなら絶対に必要です(施設の場合はゼロでも働ける可能性はありますが、ゼロで良いという訳ではないです)。ただ、こういうことを言うと、日本人の方からしたら、ペラペラじゃないとだめなのかな?とか、完璧に喋れないとだめなのかな?とか、トイック・アイエルツはどのくらいなんだろう?など思われると思います。私の英語力に関しても今後書いていきたいと思いますが、決してすごく高い訳ではないです。
では、今回は初回でしたので、個人的なブログのようになってしいましたが、大まかな概要は理解できたのはないかなと思います。
今後はもう少し詳しく色々なトピックでお伝えしていきたいと思います🙂
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