オーストラリアの病院AINの1日|Aged Careとの違いを徹底解説

実践編

2025年現在、シドニー市内の病院でAINとして働いています。
直接雇用されている病院では、病棟で働いているわけではないので病棟以外の現場についてお伝えできればいいなと思います🙂
併せて、派遣会社を通して他の病院の病棟でのAIN経験や施設での経験もありますので、その様子もお伝えできればいいなと思っています!

  • 「AIN」呼び方の違い
  • 働いている病院の概要
  • 1日のスケジュール
  • 派遣での病院シフトの1日
  • 派遣での施設シフトの1日
  • まとめ

AINの呼び方の違い

Ema
Ema

AINというのはAssistant in Nursingの略です。仕事の求人などを見ているとAINという呼び方以外にも他の名称を見ることがあります。

大きくわけて2種類あります。

🏥【病院】での呼び方
 ➡AIN(Assistant in Nursing)
 病院(特にPublic / Private Hospital)で最も一般的な呼称。
 看護師(RN/EN)の指示のもとで患者ケアを行うポジションです。

🏡【Aged Care施設】での呼び方
 ➡ PCA(Personal Care Assistant)
 最も一般的で、ほぼ全国どこでも通じます。
 高齢者施設・リタイアメントビレッジ・ホームケアなど幅広く使用。
 「生活支援+ADL介助」に重きがあります。

Ema
Ema

あとは現場で働くようになってから気付いたのですが、お互いを「シスター/Sister」と呼び合うことがよくあります。

🏥【病院】🏡【Aged Care施設】両方で使う呼び方(特に病院で)
Sister (シスター)
🩺「Sister」とは何か?
これは宗教的な意味ではなく、看護職の階級・敬称として使われてきたものです。
昔のイギリスでは看護師の階級敬称として使われていたので、その名残から現在では看護師やAINがお互いを呼び合うときにSisterと言うことがあります。

働いている病院の概要

・プライベート病院
・PACU(リカバリー室)/ Day Surgery部署(日帰り手術)
上記の部署でAINとして働いています🙂

・PACU(パキューと読みます)
日本ではPACUはなじみがないですが、術直後の患者さんの状態観察を行う場所です。
術直後から覚醒、状態が安定するまでを観察します。
日帰り手術ではなく数日入院する場合は、術直後状態が安定したら病棟に転棟するのでそれまでの状態を観察するエリアになります。

・Day Surgery(日帰り手術)部署
Admission(入院手続き・説明)
Surgery(手術)術前後の対応
Discharge(退院準備・説明)
この流れを1日中行う部署になります。Admissionは数日入院する患者さんにも実施します。
日帰り手術では白内障手術や消化器系の検査などがあります。

1日のスケジュール

Ema
Ema

ざっくりと1日のスケジュールをお伝えします。モーニングシフトが多いのでモーニングシフトについてです。

🔍ある日のモーニングシフト🔍

06:30 仕事スタート
    ※Admission手続きは1番早い手術の患者さんの場合は大体6時ごろから始まります
    【仕事内容】
    ・入院患者数などリストで確認
    ・シーツ/ブランケット/枕/ガウンなど物品確認、補充
    ・スキップ(使用後のリネンなどを入れるもの)準備
    ・入院手続きや説明は看護師が実施するので、それ以外のAdmission看護師のサポート
     (患者カルテ確認/待合室に患者さんを呼びに行き着替え室まで案内・着替え説明・バイタルサイン測定/心電図測定/術前処置実施/術前のウェイティングルームへ案内・ナースコール対応など)➡Admission看護師と連携しながらお互いができることをやっていきます

08:00 8時頃から手術が開始されます
    【仕事内容】
    ・ウェイティングルームのベッドメイキング
    ・ベッドの準備ができ次第、次の患者さんを案内
    ・医師や麻酔科看護師と連携をとり、手術が時間通り・順番通りに行くよう報連相
    ・ナースコール対応

10:00 モーニングティ休憩(20分)給料が支払われる休憩です

10:20 午前中は上記のことを繰り返しやっている感じです

12:00 タイミングを見ながらランチ休憩(30分)給料が出ない休憩です

12:30 Dischargeエリアを担当
    午後は午前中の手術の患者さんが日帰りの場合はリカバリー室(PACU)を経由してDischargeエリアにどんどん運ばれてきますのでそこでの患者さん対応をします
     【仕事内容】
     ・リカバリー室からDischargeエリアまで患者さんを搬送
     ・食事や飲み物を提供
     ・術後の状態観察
     ・バイタルサイン測定
     ・ナースコール対応
     ・看護師は術後の生活の説明や内服薬の説明などを書類で準備して患者さんへ説明するという仕事があるので、それ以外のサポートをします

※日帰り手術の場合、軽めの手術ではあるもののDischargeエリアに運ばれてきて初回歩行でトイレに行くときに意識を失う患者さんもいるので注意が必要です。
私自身、術後の初回歩行でレベル低下した患者さんの第一発見者になったこともあるので急変時に応援を求めるなど基本的な対応も病院AINには求められます。

15:30 退勤
    基本的に残業もなく、そこまで忙しくない場合は同僚などは10分前などに帰っていきます🙂  (着替えの時間も含めて勤務時間という認識です)

Ema
Ema

働く病棟や部署によっては、AINであってもシャワー介助などの日常生活援助はやらない場合もあります。
私が働いている部署では、基本的には看護師のサポートが業務になります。

派遣での病院シフトの1日

派遣で紹介される病院はいつも同じ病院になります(派遣会社によります)
かなり大きなプライベート病院に派遣されています。
役割としては➊病棟のフローター/❷スペシャルケアです。
それぞれの役割でざっくりとした1日のスケジュールをお伝えしていきます。

🔍モーニングシフトのスケジュール🔍
~➊病棟フローターの場合~

07:00  仕事スタート
    【仕事内容】
    ・基本的には看護師に依頼されたことを実施していきます
    ・依頼がない時間はナースコール対応
     ※病院ではAINがいる場合は看護師はナースコールは基本的には対応しません
    ・シャワー介助/トイレ介助
    ・心電図測定/尿量測定/血糖測定
    ・食事介助

10:00  モーニングティ休憩

10:15  上記と同じ

13:00  ランチ休憩
     大きい病院の食堂は充実しているのでランチがひとつの楽しみです🙂

13:30 上記と同じ

15:00 退勤
    派遣で残業することはありません(時間を延ばしてほしいと依頼させることはありますが事前に聞かれますし、断ることももちろん可能です)

Ema
Ema

病棟のフローターというのは、ショートスタッフの病棟などに派遣されて、主に看護師の仕事のサポートをする役割です。特定の仕事内容があるというよりは、その時その時で依頼されたことをやっていくことと、ナースコール対応がメインです。


🔍モーニングシフトの1日🔍
~❷スペシャルケアの場合~

【スペシャルケア(1on1ケアなど複数呼び方あり)はなに??】
認知症やその他の病気で認知機能が低下している患者さんが、転倒リスク・挿入物の自己抜去リスク・徘徊リスクなどが高い等の理由で常時見守りが必要な場合に、患者さんの部屋で見守りを行う役割。患者さん1人に対してAIN1人が基本。基本的に抑制器具は使用しないのでこのケアが主流です。患者さんの部屋で椅子に座って見守りをします。その中で必要なケアを必要時行っていきます。


07:00  夜勤から申し送り・勤務交代
     必ず次の勤務者が部屋に来てから交代(常時誰かがその部屋にいるようにする)
     ひたすら見守り

08:00 患者さんが起床
    必要時シャワー介助やトイレ介助など

10:00 モーニングティ休憩
    他のスタッフに交代を依頼して休憩へ

10:15 見守り再開

12:30 ランチ休憩(他スタッフへ交代依頼後)

13:00 見守り再開

15:00 次の勤務者が来てから交代・申し送り実施し、退勤 

Ema<br>
Ema

落ち着いている患者さんで歩行も見守り程度であれば1日中椅子に座って見守りをして終了の日もあります。逆に徘徊が頻回で暴力的な場合はかなり大変な1日になることもあります。スペシャルケア担当と言われるとどんな患者さん対応なのかドキドキで病棟へ向かいます(笑)

派遣での施設シフトの1日

エイジドケア施設といっても、日本でよく想像する介護施設と、リタイアメントビレッジやレジデンシャル施設など、施設によって忙しさが少し変わりますが仕事内容は基本的に同じになります。

🔍モーニングシフトのスケジュール🔍
スタート時間は6時~7時の間が基本ですが施設によって異なります。

06:30 仕事スタート
    【仕事内容】
    ・朝のケア(シャワー介助/着替えサポート/口腔ケア/トイレ介助など)
     これを1人で3~5人くらい対応します

08:00 朝食
    【仕事内容】
    ・ダイニングルームへ案内
    ・部屋で食べる人へ配膳
    ・食事介助

09:00 利用者さんはアクティビティの時間
    【仕事内容】
    ・アクティビティへ参加する利用者さんを案内
    ・利用者さんの部屋のベッドメイキング
    ・テーブルを消毒したりごみ箱確認

10:00 順番にモーニングティ休憩へ

10:30 ナースコール対応・巡視/必要時記録
    利用者さんのティタイム(施設によるが基本はキッチンスタッフが準備・配る)

11:45 昼食準備
   【仕事内容】
   ・昼食前に必要時トイレ介助
   ・ダイニングへ案内
   ・食事介助

13:00 ランチ休憩

13:30 ナースコール対応/巡視

14:00 利用者さんの午後のティタイム(これはAINが準備・配ることが多い)

14:30 ナースコール対応

15:00 退勤

Ema
Ema

病院よりは日常生活介助がメインになるので体力的には大変ではありますが、日本と比較するとそこまで大変には感じません。施設の場合は仕事内容は介護業務になります。

まとめ

どうでしたでしょか?
仕事内容としては、病院とエイジドケア施設でまず異なるのと、病院の場合は配属部署で仕事内容が異なってきます。
また直接雇用で常時同じ施設で働くのと、派遣で働くのでは少し変わってくると思います。

これからオーストラリアでAINとして働くことを考えている方は、実際の業務内容を見て病院とエイジドケア施設どちらで働きたいか考えるきっかけになるといいなと思います🙂


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